「スゴ技会計士からの挑戦状」VOL.7
3月 13, 2017
▼第7号-2017/03/13
──────────────────────────────────
■■■スゴ技会計士からの挑戦状 Vol.7■■■
──────────────────────────────────
【シンプルに最終判定する技】
新しいキーで重複チェックをする時はCOUNTIF関数を使います。
E2セル=COUNTIF(D:D,D2)
復習になりますができましたでしょうか。
このような基本は何度でも繰り返して身に付けてください。
さらにマウスを使わずにキーボードで操作できるようになってください。
試行錯誤の量と質が格段に向上します。
マウスを使わないExcelの基本的な操作方法については、拙著「会計士が教えるスゴ技Excel」(日本経済新聞出版社)に詳しくていねいに解説しています。
<図7-1>

「同一ファイル内でのみ重複しているコード」(E列>1
)は違う色をつけてみました。
いいところまできましたが、黄色く残っているところが「他のファイルと重複しているコード」のすべてでしょうか。
よく観察すると「888」は同じファイル内で重複していますが、違うファイル間でも重複していることが分かります。
これを排除するフラグを立てることができれば完成です。
データをよく観察しましょう。
<図7-2>

2行目の「111」はC列の「コード重複チェック」が2となっています。
一方でE列の「同一ファイル内重複チェック」は1となっています。
これは何を意味するかというと、すべてのファイルで数えると同じコードが2行存在しているけれども、同じファイル内には1行しかない、すなわち「他のファイルと重複しているコード」ということになることが分かります。
3行目の「123」は「コード重複チェック」と「同一ファイル内重複チェック」が共に2で同じ数になっています。
ということはコードの重複はあるけれども、すべて同一ファイル内ということを意味します。
4,6,8行目も同様です。
9行目の「888」は「コード重複チェック」が4であるのに対し「同一ファイル内重複チェック」は2なので、「他のファイルと重複しているコード」ということになることが分かります。
ここまで観察すると規則性が見つかりましたでしょうか。
コードの重複数(C列)が、同一ファイル内の重複数(E列)を上回る時、そのコードは「他のファイルと重複しているコード」と識別することができます。
ピケティ風に表現するならば、
c>e
ということになるでしょうか。
早速検証してみましょう。
F2セル=C2>E2
<図7-3>

「他のファイルと重複しているコード」である「111」と「888」だけにフラグ(TRUE)を立てることができました。
このモデルでうまくいくことは、実践でもうまくいきます。
実践ではさらに多少の工夫が必要になることがあります。
そんな時は「文字列操作関数」が役に立つケースが多いので、「文字列操作関数」で解決できないか考えてみてください。
「文字列操作関数」はすべて目をとおしておいてください。
この講座でお伝えしたいのは、「このやり方を覚えてください」ということではありません。
私はこの問題の解決方法を知っていたから解決できたわけではありません。
ここでご紹介したような観察と試行錯誤を地道に何度も繰り返すことによって解決にたどり着いたのです。
もしかしたらもっと良い方法があるかもしれません。
思い付いた方はぜひ教えてください!
未知の問題を「ITを活用して解決」するには、
・基本の習熟(読書、研修、検索 etc)
・観察と試行錯誤
が重要になります。
みなさんの仕事上の問題がExcelを活用して解決できるのではないかと思ったら、ぜひあきらめずにチャレンジしてみてください。
まずは「問題」を「問題」として認識する力が必要になります。
次回はそんな問題を出題します。
問題1は難易度が高かったのですが、次回の問題2は難易度★です。
<<前回の内容