スゴ技会計士からの挑戦状 VOL.28
1月 22, 2018
┃面で参照する技-少しだけ配列数式
配列数式はエクセルの機能の中でも最も難しいもののひとつです。
一番の基本ですら少々難しいですが、今後クラウドが前提になることを考えると必須の機能になります。
今のうちから基本は理解して使えるようになっておいてください。
あるセルからあるセルを参照したい時、通常はひとつのセルを指定します。
例えばA1セルからD1セルを参照したい時は以下のように指定します。
=D1
D1セルからE2セルの範囲を参照したい時は、相対参照のままA1セルをコピペします。
この程度であればコピペしてもどうということもないのですが、大きなシートを丸ごと別のシートで参照したいような時には少々不便です。
このような時には「配列数式」という機能を使うことができます。
配列数式はエクセルにおける最難関の考え方で、ネットで調べれば配列数式を駆使したシンプルで美しい数式を発見することができます。
ただ、一般の人にはかなりハードルが高いので、ここでは基本だけをご紹介します。
配列数式を簡単にいうと、数式の中で「点」で参照していたところを「面」で参照する機能といえます。
先程はD1セルを「点」で参照しましたが、今度はD1セルからE2セルの範囲を「面」で参照してみましょう。
=D1:E2
ENTERキーで確定するとエラーが出てしまいます。
配列数式にするためにはSHIFT+ENTERが必要です。
でもこのままではA1セルに1と表示されるだけです。
「面」で参照するには「面」を指定しなくてはなりません。
以下の手順で実施してみてください。
・A1セルをアクティブにする
・SHIFT+矢印キーで範囲を指定する
・F2キーで編集モードにする
・SHIFT+ENTERで確定する
すると、すべてのセルが
{=D1:E2}
となって、範囲が参照できます。
{ }が配列数式を表す記号です。
配列数式の一部を修正・削除しようとすると、以下のメッセージがでます。
配列数式はひとつの数式で範囲を表示できるため速度が早いだけでなく、配列数式内の個々のセルを編集することができないため、数式の信頼性が向上するというメリットがあります。
コピペで作成したはずの数式の一部がベタ打ちになっていて怖い思いをした人は多いはずです。
配列数式をうまく活用することができれば、このようなことがなくなります。
配列数式はVLOOKUP関数などでも使えますので試してみてください。
{=VLOOKUP(A2:A4,C:D,2,FALSE)}
ただ配列数式は存在すら知らない人がほとんどですので、もし実務で使う時は他の人が混乱しないよう十分注意してください。